2025年10月21日、ノルウェーと日本の国交樹立120周年、そしてハリウッド株式会社の創業100周年を記念し、在日ノルウェー商工会議所とのコラボレーションイベント「美とウェルビーイングを食から考える」が開催され、盛況のうちに閉幕しました。
本イベントは、ウェルビーイング先進国であるノルウェーの知見を深め、食を通じて美とウェルビーイングを追求することを目的とし、多様な参加者が一堂に会しました。
自然と共に生きる豊かさ──ノルウェーの知恵と日本の美が響き合う時間


冒頭では、ノルウェー大使館通商技術部マーケット・アドバイザーのアネッテ・山本ハンセンさんに、「ノルウェーに学ぶ:男女平等と食文化が育むウェルビーイング」というテーマでご講演いただきました。
自然との触れ合いや家族との時間を大切にするノルウェー流のライフスタイル、そしてウェルビーイングを支える文化的背景について、深く学びのあるお話を伺いました。
続いて、ハリウッド株式会社 執行役員の金野英美子さんからは、ハリウッド株式会社の歴史や、創立100周年を記念して発売された「ザ・ハリウッド」について、さらに、化粧品開発におけるユニークな取り組みとして、サーモンの鼻軟骨から抽出される成分「プロテオグリカン」を活用したお話を伺いました。
日本では東北地方などで「ひずなます」として食されてきたものの、一般的には捨てられてしまう部位を有効利用するという発想から生まれた、非常に興味深いお話でした。
ノルウェーから学ぶ「真の豊かさ」

イベントでは、ウェルビーイング先進国ノルウェーが持つ「真の豊かさ」について、多くの学びが共有されました。
ノルウェーはこれまでに2人の女性首相を輩出し、初代は1981年に誕生するなど、女性の社会進出が進んでいることが紹介されました。
社会全体で男女平等が根づき、女性がキャリアと家庭の両立を当たり前に実現できる仕組みが整っています。
このようなノルウェーの姿勢は、今から60年以上前に「女性が美しく生き、働ける社会を」と願ったハリウッド化粧品創業者・メイ牛山の理念とも深く響き合います。
メイ牛山は、美を通して女性の自立を支援し、 “外見の美しさ”だけでなく“生き方としての美しさ”を追求することの大切さを提唱しました。
時代も国も越えて共通しているのは、 「一人ひとりが自分らしく生きることこそが、社会の豊かさを育む」という信念。
今回のイベントでは、その想いがノルウェーと日本の両側から語られ、ウェルビーイングの本質をあらためて感じる時間となりました。
音楽と食が彩る五感で感じるウェルビーイング

イベントのハイライトとして、ノルウェーの民族楽器であるハルダンゲルヴァイオリン奏者の山瀬理桜さんによる美しい演奏が披露されました。
山瀬さんは、ノルウェーの民族音楽と文化を日本に伝える活動が評価され、ノルウェー王国功労勲章を受章されており、その情感豊かな音色が会場を魅了しました。


また、女性寿司職人リオンさんによる、見た目にも美しく、そして美味しいお寿司の提供も、参加者の皆様の目と舌を楽しませました。
繊細な職人技で握られたお寿司は、まさに食を通じたウェルビーイングを体現しており、豊かな時間を彩る重要な要素となりました。
知的交流を深めるトークセッション

素敵なゲストの皆様によるトークセッションでは、音楽と食というテーマに加え、ウェルビーイング先進国ノルウェーの働き方や文化、そしてそこから得られる示唆について深い議論が交わされました。
参加者たちは、多様な視点からの意見交換を通じて、ウェルビーイングな社会の実現に向けた新たな気づきと示唆を得ることができました。
音楽と食、そして知性が響き合う豊かな時間は、参加者の心を深く満たしました。
未来へ向けたウェルビーイング社会の実現

本イベントを通じて、ウェルビーイングな社会の実現には、女性と若者がその能力を最大限に発揮できる環境づくりが不可欠であるというメッセージが改めて共有されました。今回のイベントが、その未来へ向かうための一歩となる、示唆に富んだ一日であったと感じられます。
この素晴らしいコラボレーションイベントの実現にご尽力くださった関係者の皆様、そしてご参加くださった皆様に、心より感謝申し上げます。
